食物アレルギーによる経口免疫療法
牛乳、鶏卵、小麦について
経口免疫療法(OIT)
自然経過では早期に耐性が獲得出来ない症例に対し、
事前の食物経口付加試験で症状誘発閾値(症状が出る最低限の量)を
確認した後に原因物質を医師の指導のもとで経口摂取させ、
閾値上昇(食べられる量が増える)または
脱感作状態(アレルギー反応がなくなる)とした上で、究極的には
耐性獲得を目指す治療法。
残念ながらOITは一般診療としては推奨されていません。
当院でもごく軽症以外は指導を行うことが出来ません。
アレルギー専門医による指導が必要です。
論文では5年の経過で通常量が食べられる割合は
鶏卵76% 小麦66% 牛乳37%
5年以上の経過で鶏卵80% 小麦90% 牛乳62%
牛乳アレルギーが残る率が高いようです。
通常量が食べられているからといって完全にアレルギー反応が
無くなったわけでなく、重篤な症状を呈することもあり得ます。
特異的IgE(アレルギー血液検査)の値は小麦のみ優位に下がる他は
下がる傾向であったが優位ではない。
したがって特異的IgEに頼った指導はあまり勧められないと思います。
当院では卵、牛乳、小麦のアレルギー検査は
その場で迅速に測定しています。